55歳男性が右肘の外側の痛みを訴えてご来院されました。
この症状は2ヶ月前から発症し徐々に悪化してきていました。
右肘の痛みは手首を使ったり、肘を完全にのばしたりする時に鋭い痛みを感じ、時々右手首付近まで痛みが広がることもありました。電気工事という仕事柄、狭い空間に入り手首を無理な体勢で使うことが多いと言うことでした。2ヶ月前に整形外科に行って、仕事を休めば何日かしたら治ると言われたが、仕事を休むわけにはいかず、今日までほとんど良くならず、逆に悪化してきました。何か他の治療法を、と思い来院されました。
検査で肘の周りの太さ、腫れ、皮膚の色などの左右差は特に見られませんでしたが、右肘外側に圧痛があることと、肘を完全に伸ばした時にも同じように右肘の外側に痛みを感じました。さらに手首を甲側に曲げて力を入れてもらうと右肘の外側に鋭い痛みを感じました。この結果、この患者さんはテニスプレイヤーに多く見られる疾患のテニス肘(外側上顆炎)といって、手首を甲側に動かす筋肉をたくさん使いすぎて、この筋肉が付着する肘の外側を痛めてしまったと思われます。
施術はこの痛めている筋肉が過緊張を引き起こしていたのでこれを取り除く筋肉操作を様々な器具を用いて行いました。肘と手首の関節に可動制限がありこの筋肉に負担がかかっていたので、これらを取り除くカイロプラクティックアジャストメントを行いました。仕事は休めないということだったので、この筋肉の働きを助ける目的と負担を減らす目的でキネシオテーピングを右前腕に施し、仕事中は更にテニス肘用のサポーターをしていただきました。仕事の後は毎日アイシングをして頂き、4回の施術で手首を甲側に曲げた時にほとんど痛みを感じなくなるまで回復しました。
担当コメント
この患者さんの右肘の痛みは長期間同じ動作を繰り返すことによって引き起こされていました。電気工事という仕事によって手首をたくさん使ったことによって肘の痛みを引き起こしたと考えられます。この患者さんには今後同じ症状を引き起こさない為に肘周りの筋肉のストレッチと定期的な関節のメンテナンスのせ術をお勧めしました。日常的に何気なくしている動作でも、長期間繰り返すことによって徐々に負担が重なり痛みが出ることは少なくありません。同じように肘の痛みが気になっている方はお気軽にご相談下さい。