65歳女性が、腰の痛みと右大腿後面と右下腿外側の痺れを訴えて来院されました。
この症状は半年前から発症し徐々に悪化してきていました。
この症状は座った状態から立ち上がるときと、階段を下る時に鋭い痛みのような痺れを感じました。特に足が地面につく時に痛みを感じ、ひどい時には右足首まで感じることもありました。3ヶ月前に整形外科でレントゲン撮影をした結果、腰骨の軟骨がすり減っておりそれが原因で座骨神経痛が出ていると言われました。痛み止めの薬と牽引治療を2ヶ月間行ったが症状が改善されなかったので何か他の治療法を試したいと思い来院されました。
右大腿の視診と触診では特に左右差は見られませんでした。整形学検査では座骨神経痛を示唆する検査で幾つか陽性の結果が出ましたが、筋力検査では特に弱化している筋肉はありませんでした。触診では右臀部の筋肉に圧痛があり、この筋肉を押圧すると少し大腿後面まで響きました。この結果から推察すると、この症状は臀部の奥にある梨状筋という筋肉が過緊張を引き起こし、その下を通る座骨神経を圧迫することによって引き起こされていると考えられます。
1回目の施術はこの骨盤の一部を形成する仙骨のゆがみを取ることと、梨状筋の過緊張を取り除くことを中心に行いました。施術後2日間は痺れを感じなかったが、3日目に戻ってしまいました。2回目の施術の時に膝から下の外側の痺れも強く感じたため、骨盤のゆがみと筋肉の調整に加えて、膝と足の関節の施術も行いました。膝から下の症状は痺れよりも痛みとして感じた為、関節や筋肉のアンバランスの影響もあるかと思い施術しました。その後この患者さんの症状はゆっくりと回復して、合計6回の施術で大腿後面の痺れと下腿外側の痛みは消失しました。
担当コメント
この患者さんの梨状筋が過緊張を引き起こした原因は分かりませんが、患者さんがおっしゃるには旦那さんの介護を毎日しており、重い物を持ったり、立ち上がったり、しゃがんだり、座ったりを一日何度も繰り返しているそうでこれらの動作を過度に行ったのが原因ではないかと思われます。日常的に何気なくしている動作でも、長期間繰り返すことによって徐々に負担が重なり痛みが出たり、筋肉や神経系に影響を与えることは少なくありません。同じような症状でお悩みの方はお気軽にご相談ください!