50歳の男性が、脊柱管狭窄症を訴え来院されました。
この症状は1ヶ月前から感じ始めたそうです。最初の頃は
右ふくらはぎに痛みが出始めそれから徐々に痛みが強くなり2週間前から5分も歩くと痛みが強すぎて歩けなくなってきました。家から最寄りの駅まで歩いて10分ほどのところを、行きは大丈夫なのですが帰りには5〜7回休まないと帰れません。歩き始めはそれでも長く歩けるものの一度痛みが出ると休んでから次の痛みが出るまでの間隔がだんだん狭まってきます。脊柱管狭窄症の診断は痛みが強くなってから整形外科に行き画像から診断されました。症状は強いもののまだ手術には早いそうで何もせずそのまま帰ってきました。歩くとすぐに痛みが出るのですが、自転車に乗る分には痛みは出ないそうです。10年前に第2,3間と4,5間の腰椎椎間板ヘルニアを患ったことがあります。現在は歩くだけではなく立っていても常に右ふくらはぎに痛みがあるそうです。
整形外科の先生からもらった画像を見せてもらったところ、10年前になったヘルニアの部分である2/3、4/5のところで脊髄に椎間板が触れていることが確認できました。椎間板ヘルニア及び坐骨神経痛などの整形外科検査では陽性は見られませんでした。その他神経外科検査でも陽性はありませんでした。
触診では腰部脊柱起立筋のロープ様緊張、左右(特に右)股関節の内転の減少、腰椎の伸展スプリングの著しい減少が認められました。施術は腰椎の可動性および柔軟性を取り戻すように行いました。初回の施術ではカイロプラクティックアジャストメントではなくモビリぜーションを中心に行いました。
2回目来院されたところ、初回施術後は家に帰るまで痛みは出なかったものの翌日から同じように痛みが出てしまいました。2回目の施術は初回と同様に腰部の柔軟性をつけていくことと股関節の可動性もつけていきました。その結果今まで仕事帰りに駅から家まで5〜7回休んでいたところが1回休むだけで大丈夫になりました。
3回目の施術で腰部に対してカイロプラクティックアジャストメントを行いました。
3回目の施術後は会社のイベントでずっと立ちっぱなしの日がありそれから3日間は最初の頃と同じような痛みが戻ってしまいましたが、それが治まると一度も立ち止まることなく家に帰れたそうです。
計4回の施術で帰宅時の痛み、常にあるふくらはぎの痛みが消失しました。今後はこれ以上の負荷がかかった際の痛みの出現を想定してのアプローチをしていく予定です。
担当コメント
この患者さんは症状を有していた期間は1ヶ月とそこまで長くないものの長時間歩けないことに対してかなりの不安を抱いていました。脊柱管狭窄症というのは背骨の脊柱管という管を神経の束である脊髄が通っているのですがそこを何らかの原因により圧迫し、その圧迫部位によって様々な症状を呈するものです。実際の画像を拝見したところ確かに圧迫は見られました。その圧迫を開放するには手術しかないのですが、カイロプラクティックでそれはできません。何をしたかというとその圧迫している部分だけでなく周囲の腰椎や胸椎、骨盤の柔軟性をつけていきました。実際、この患者さんの症状は軽減していますが、またMRIを撮っても圧迫部分だけでなくその他の部分も画像での変化は見られないと思います。
今回は改善が早めに見られましたが、本来、脊柱管狭窄症に対する施術はもっと時間も回数もかかってきます。ですが、歩ける距離が伸びるのような変化は望めます。これを読んでるみなさんの中で同じように悩まれている方がいらっしゃるのであれば是非一度ご連絡ください。お待ちしております。
