50歳女性の方が右膝、右肩の痛みと
腕から人差し指にかけての痛みを訴え来院されました。
右膝は今秋くらいから痛みだし年末には水がたまってきました。歩く分には問題はないのですが膝の曲げ伸ばし、足を横に出す動作で痛みが出ます。現在は痛みのため正座ができないのと立った状態でも右膝がまっすぐ伸びません。2年前左膝にベーカー嚢腫ができた時は筋トレをしたら痛みが治まっていました。
今回は痛みが強いため長時間歩くことや運動をすることができません。右人差し指のしびれに関しては約10年前から発症していて当初は細かい作業にしづらさを感じていましたが最近は指だけでなく前腕全体にそのしびれが広がってきています。
そのほかに気になることと言えば、足の裏の外側によくタコができやすい事と最近疲れが取れにくいことがあります。
検査をしてみると直立状態では右膝の屈曲位と重心が左に偏っていることが目につきました。膝の検査では半月板や靭帯などには問題はなさそうです。ですが内側広筋には強い圧痛が見られました。頚部の運動は伸展と両回旋に著しい運動制限がありました。しびれは検査時に再現はできませんでした。
右膝の問題はおそらく骨盤のねじれが元となり下肢の筋肉のアンバランスを生み生じたものと思われます。手のしびれは首の運動制限から筋肉に負担をかけそれ由来のしびれと思われます。
初回の施術では脊柱、骨盤の歪みを整えることを主とし行いました。施術後は直立時に曲がっていた膝が伸びるようになり屈伸時の痛みが半減していました。そして左に偏っていた重心も真ん中になりました。頚部の伸展回旋の動きもずいぶん回復しました。
2回目来院時には重心は少し左に戻っていましたが、日常生活での膝の痛みがほぼ感じられなかったそうです。引き続き全身のバランスを整えることと、内側広筋の緊張をとるような施術をしました。その施術後は膝に溜まっていた水も少し引いていました。内側広筋の緊張が強く残っているので骨盤の歪み同様あと3回ほどの施術が必要だと思われますが、おおむね大きな問題からは脱したと思います。
担当コメント
このケースで良かった点は膝の痛みが膝自身の問題によるものではなく骨盤のねじれが問題になっていたという点です。膝の問題であげられることは半月板や靭帯の損傷です。もしそれらが問題となっていたら症状の回復にはもう少し時間がかかっていたと思われます。患者さん自身もスタスタ歩けるようになったことと常に感じていた痛みがなくなったということで毎日の生活が楽しくなったと喜んでいらっしゃいました。
重ね重ねにはなりますが、痛みのある部分に必ずしも問題があるとは限りません。知らず知らずのうちにバランスが崩れ、長期間負担がかかり続けることでそれに関連した部位に痛みが出ることがあります。膝が痛いと整形外科などでレントゲンを撮ってもらうことがよくあると思います。レントゲンをとっても特に問題がないと先生に言われた時、もしかしたらほかの部分が悪くて痛みがあるのかもしれません。これを読んで心当たりがある方はお気軽ににご相談下さい！
