41歳女性が産後の骨盤の不安定と左股関節痛、かかとの痛みを訴え来院されました。
左股関節痛は産前からあり、寝た状態から起きるときに痛みが出ます。かかとの痛みは産後からで歩く分には平気なのですが、床から子供を抱え上げるときに出ます。今は家にいるときも常にトコちゃんベルトをつけながら生活しています。
検査をすると腰椎の不安定性と骨盤を支える筋肉である腸骨筋に強い痛みがありました。両膝とも特に遠位脛腓関節に顕著な可動制限が認められました。おそらく出産前のお腹の中の赤ちゃんの成長に伴って変化した骨盤を支えるために強い筋緊張を起こした結果が股関節の痛みだったのだと思われます。かかとの痛みは、ねじれた骨盤の影響で下肢のバランスが崩れそれが足首にまでいきわたり起こした痛みでした。
施術は骨盤から下肢を中心に行ったところ、施術後の腸骨筋の痛みは半分以下にまで減りました。
2回目の来院時には左股関節の痛みは最初の3割ほどになっていました。かかとの痛みはまだ残っていました。
3回目来院時には股関節とかかとの痛みは殆どでなくなりました。このタイミングから常につけていたトコちゃんベルトを外してもらい骨盤の安定を図るエクササイズに取り組んでもらいました。
5回目の来院時には股関節もかかとも骨盤の不安定も見られなくなりました。今後もより骨盤の安定を付けていくためにエクササイズは継続して行ってもらいます。
担当コメント
近年増えてきている高齢出産。高齢出産は母子ともに負担は大きいものとなりますが、この患者さんはスムーズに出産はできたようです。体力的な不安がある状態での育児は心身に多大なる負担をもたらします。やはりお母さんが元気でないと子供も元気に育てられないですからね。我々は無事に出産が行えるよう産前への対処はもちろんのこと、産後の身体に残る負担も取り除いていき、日頃取りがちな姿勢の問題やお家でできる簡単なストレッチなどもアドバイスさせていただいています。元気にお子さんを育てるためにも、お身体に不調をきたしているのであれば是非一度ご相談ください。できることは最大限させていただきます!