51歳のシステムエンジニアの男性が一ヶ月前から続く両肩の痛みを訴えて来院されました。
一ケ月前に特に原因は無く徐々に左肩が痛くなり、動かしたり左肩を下にして寝ると痛みが増すということでした。左肩に痛みがあったために右肩を下にして就寝していたら右肩も同じような症状を引き起こし、かなり酷くなってきたため、整形外科を受診しレントゲンなどの検査を受けて五十肩と言われて、処方された薬と体操をしていましたが、ほとんど改善されなかったので、他に良い治療法かないかと思い来院されました。
肩の可動域の検査では、自動運動で両肩共に外転、屈曲時に10度位の角度で肩の外側から前腕にかけて激しい痛みを引き起こしました。他動での可動域の検査では少し痛みを感じましたが、外転、屈曲共に120度以上動かすことができました。触診では首肩、肩甲骨周辺の筋肉に過緊張や、硬結などの機能障害が数多く認められました。
検査結果より、自動運動で肩の可動域が痛みによって制限されていましたが、他動運動では正常な可動域近くまで動かせたため、五十肩よりも、肩関節周辺の筋肉の機能障害が疑われました。
治療はカイロプラクティック評価で得られた姿勢のアンバランスを整える治療を背骨全体へ行い、肩関節周辺の筋肉にはアクティブリリーステクニックを使用して筋肉の機能障害を取り除きました。初回の治療後、痛みは少し残りましたが、自動運動での肩の外転、屈曲共に120度以上動かすことができました。計4回の治療で肩の痛みと可動域は全て正常範囲内まで回復しました。
担当コメント
今回の症例は整形外科で五十肩だと診断されていましたが、実は肩関節周辺の筋肉の機能障害が疑われた症例です。前者と後者の症状や所見では、相似していることもあり、両者とも画像診断などの医学的診断では異常なしと言われることが多いです。更に両者共に関連痛として腕や手まで痛みを感じることもあり、激痛で肩を動かせなくなることも有ります。しかし治療の方法や期間が全く異なるので、正確な検査や評価が必要となります。同じような症状を感じていらっしゃる方は一度ご相談ください。