36歳 運送会社勤務の会社員の男性が首の痛みと両腕のしびれを訴えて来院されました。
これは４年前にオートバイで事故を二度起こした時から始まりました。症状は背中と首の付け根から両腕の肘後面あたりまで常に痺れのような痛みのような感覚を感じていました。仕事で運転することが多く同じ姿勢を長時間続けるとこの症状が強くなり、頭より高い場所の物を持ち上げようとすると指先までビリッとする感覚もありました。不意に首を前側に倒すと首の付け根から頭までドーンという痛みが走り、めまいのようなもの感じたこともありました。整形外科では頚椎ヘルニアと脊柱管狭窄症と診断されて牽引や投薬治療を行ってきましたがあまり改善されなかったため、鍼灸、整体、気功やその他の民間療法などでも治療をしてきましたが、なかなか良くならず、まだ試したことのなかったカイロプラクティックの治療を受けてみようと思われて来院されました。
頚部の可動域の検査ではすべての方向の可動域の減少が認められ、特に下を向くのが嫌なためかかなり動きに制限が見られました。頚部の動きに伴って両腕に痺れや痛みが走ることはありませんでした。神経学検査では感覚や反射の異常は認められませんでしたが、左腕の筋力の弱化がありました。
これらの結果からは、どこの何に問題があるのかの正確な評価はできませんが、カイロプラクティック治療の禁忌症には当たらないため脊柱を中心に施術を行いました。一回目の施術ではあまり改善が見られませんでしたが、二回目の施術後劇的に首の痛みと両腕のしびれが改善されました。現在では頭を下に向けた時に少し恐怖感がありますが痛みはそれほど感じなくなるまで回復しています。
担当コメント
今回のケースは整形外科医から頚椎ヘルニアと脊柱管狭窄症という診断が出ている患者さんでした。実際にMRIなどの画像を見て確認していないのでこれらの障害が症状に関係しているかどうかは不明でしたが、問診と検査ではカイロプラクティック治療の禁忌ではないと判断したので施術を行いました。脊柱へのカイロプラクティック治療後に左腕の筋力の回復が見られたため、おそらく頚部で脊髄神経の圧迫があって、これが症状に関係していたのではないかと推測されます。今回のケースでは早期に症状が回復しましたが、頚椎ヘルニアや脊柱管狭窄症の程度によっては長期間必要だったり、カイロプラクティック治療の禁忌症となる場合もありますので、一度相談ください。
