中年に多い四十肩、五十肩
四十肩、五十肩(肩関節周囲炎)は、肩関節の痛みと可動制限を伴う肩関節の病態で、一般的な発症年齢(中年期に発症)からそのように呼ばれていて、年齢と伴に起こる肩関節構造の変形や変性が関係しています。五十肩は、痙縮期(痛みが強い時期)、拘縮期(可動制限の強い時期)、回復期(症状が改善してくる時期)や、急性期(痛みが強い時期)慢性期(自発痛、運動時痛はやや軽減するが、肩関節拘縮による可動制限時期)に分けられたりしますが、痛みは突然発症し、肩から上腕、肘にかけて拡がります。冷えで痛みが強くなったり、夜間痛が出たりします。
術後の肩関節長期固定や、外傷、炎症などが原因で同じような状態が見られることもあります。痛みがあまりにも強い場合は、他の病態が原因の可能性もありますので、最初に医療機関での診察をお薦めします。五十肩の場合、半年~2年程度で自然治癒すると言われていますが、肩の状態であったり、生活習慣等による個人差はあると思います。
カイロプラクティックケア
カイロプラクティックでは、五十肩に対して、早期の痛みの軽減~消失、肩関節可動域の改善~正常化を目的として施術を行います。初回来院時に、可動域の検査と肩関節の運動に関連する筋肉の状態の検査、肩甲骨の可動域検査、背骨全体の可動域や姿勢のチェックを行い、施術計画を立てます。個人差はありますが、早い方で数回、遅い方で5回~10回程度の施術で痛みの軽減&関節可動域の改善は期待できます。
施術は、肩関節の外転や内旋、外旋、伸展などの制限された動きを手技によって改善させていきます。肩関節の動きは、肩甲骨の動きと連動していますので、肩甲骨周囲の筋肉の緩和や、肩甲骨が乗っている肋骨の動き、背骨の動きも同時に改善させていきます。
五十肩による肩関節の可動制限がある場合、身体の他の部位を使って代償的に動きを補おうとするため、背骨や首も歪みやすくなります。そのため、身体全体的な影響を見ながら余計な負担を減らしていきます。
基本的には、急性期をすぎれば動かせる範囲で肩関節を動かしたほうが改善が早くなりますので、ホームエクササイズも推奨していきます。
ご参考までに!
四十肩、五十肩を考えるときに、肩関節の構造とその役割を考える必要があると思うのですが、肩関節(上腕肩甲関節)は、上腕骨と肩甲骨の接合部で、動きの自由度は股関節などに比べ、非常に高いです。動きの自由度が高いということは、その分安定性が低いということになります。
関節部分を支えている主な構造として、腱板(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の腱)や関節包、滑液包、靭帯や三角筋などがありますが、スポーツや仕事、日常動作などで肩をよく使う場合、それらの部位に負担がかかり、オーバーユースによる炎症や、変性や変形を起こしやすくなります。
また、日頃肩をまったく動かさない場合も、肩への血流が悪くなり、筋力低下や軟部組織の癒着等が起こり、肩を動かしにくくなってしまいます。また、背中を丸くするような姿勢が多い方は、肩が内側に入りやすくなり、肩甲骨と上腕骨の位置関係が変わるために肩が動かしにくくなります。思い当たる方はご注意を!