産後一週間の方が、恥骨の痛み、骨盤の痛みを訴え来院された。恥骨の痛みは、妊娠後期
から気になっていたが、産後は常に痛みを感じる。骨盤の痛みは、尾骨周辺に感じており、座っていると痛い。寝ていてもお尻の真ん中が痛い。歩く時に、足の間になにか挟まっている感じがして力が入りにくい。骨盤ベルトはしているが、恥骨や尾骨の痛みは変わらない。
初回の状態
・恥骨の痛みは、恥骨結合の部位
・尾骨の痛みは、尾骨周辺の軟部組織も含み、特に尾骨の左側の痛みが強い
・股関節の外転筋、内転筋に力をいれると恥骨が痛い
・腹筋に力が入れにくい
・恥骨の上部にも痛みがある
産後一週間ということで、出産によるダメージがかなり身体に残っていて、骨盤や股関節も不安定な状態。恥骨結合の痛みが強く、恥骨に負担がかかる検査で痛みを誘発するため、恥骨に付着している筋肉の緩和操作を行い、痛みを軽減させていきました。尾骨は、日本では直接矯正ができないため、尾骨位置と動きを整えるために、周辺の靭帯の緩和操作を行いました。
初回の施術で、恥骨の痛みは7割程度に軽減、尾骨の痛みは座っていても感じなくなりました。立ち上がる時の痛みや、歩く時の不安定感も軽減。内転筋の負荷検査で恥骨の痛みはなくなりましたが、外転筋の検査でまだ痛みが残る状態でした。
二回目の施術で恥骨を中心にアプローチを行いましたが、恥骨結合の痛みは押圧でまだ残っていました。恥骨の上部の痛みもまだあったため、骨盤全体への施術を行い、骨盤全体の機能改善を行いました。施術後恥骨の痛みは5割程度に軽減。今後は残りの恥骨の痛みの軽減と、子育てでの身体への負担を軽減させれるように全身的なアプローチを行いました。
担当コメント
この方の場合、産後一週間ということで、骨盤や股関節の関節の安定性や、筋肉の状態がまだ正常に戻る途中の状態でした。出産のために、関節を緩めるホルモンが分泌さされるのですが、その影響も残っていたと思います。また、陣痛が始まってから出産までに、かなり時間がかかったとのことで、その負担が恥骨の痛みや尾骨の痛みとなって残っていた状態だったと思います。
産後の方は、痛みがなければ身体が回復するまでの期間、施術での刺激を入れない方がいいという考え方もありますが、この方のように痛みが強く気になる場合、産後すぐにでも施術は可能です。特に、足に力が入りにくい、腹筋に力が入らない、尿漏れが気になる、恥骨や尾骨、骨盤が痛いといった症状は、カイロプラクティックが得意としている分野です。
特別なことをするわけではないのですが、骨盤の関節や股関節を安定させている組織を中心に、無理のないように機能を改善させていくと、力が入りやすくなったり、痛みが軽くなったりしていきます。同じように、産後の症状でお困りの方は、是非参考にしてみて下さい！
