57歳女性が、脚の付け根と腰の痛みを訴えて来院されました。
1週間前から、右の脚の付け根に痛みが出てきました。今は痛くて歩くのもつらく、びっこを引いて歩いています。階段を下りるのが一番つらく、手すりに掴まりながら一歩ずつ下りなければなりません。腰痛やお尻の痛みは以前からありましたが、脚の付け根に痛みが出るのは初めてです。脚に痺れは特にありません。仕事が忙しく、ずっと座っていることが多いです。
検査をしてみると、身体を前に屈めると腰の関節の動きが硬く、腰を反らせながら股関節から前に折れるような動きをされていました。逆に腰を後ろに反らすと腰の痛みがひどくなりました。また、右のお尻の深い所の筋肉がガチガチに固まっており、股関節の動きを阻害しているように感じました。仰向けで股関節の動きを診た際も、ご自分で力を抜くことができず、膝を抱え込む動きも困難でした。痛みのせいで全身に緊張があり、どこを触っても過敏になっていて痛みを感じる程でした。
初回の治療では、まず全身の筋肉の緊張を緩和させ、過敏になっているところを落ち着かせるように施術を行いました。無理な施術は行わず、腰の関節の動きを少しずつ付けるようにしました。
2回目の施術では症状が50％まで改善していたものの、まだ痛みがあり歩行がおかしいとのことでした。
3回目の施術では症状は大分落ち着いたものの、仕事でまた無理をしてしまったので腰の張りがひどいとのことでした。右脚の付け根の痛みは消え歩行は普通になっていました。
4回目では、痛みはあまり感じなくなっており、少し腰を後ろに反らせるようになっていました。右脚の付け根の痛みは前回から出ていないとのことでした。5～6回目には症状は落ち着いていましたが、仕事で無理をすると腰の痛みが出てくるとのことでした。
ここまで、週に１回の施術を行っていましたが徐々に期間をあけていくようにして、現在では2～3週間に1回（状態による）の施術を行っています。
問診で伺ったところ、腰を丸めるのが良くないと思い、イスに浅く座って腰を反らすのが日常とのことでした。腰を曲げて座り続けることは良くないですが、無理に腰を反らせるように腰の筋肉を緊張させてしまうことも、逆にお身体に負担をかけている原因にもなります。この患者さんは腰の関節の動きが少なくなっており、それを骨盤の関節や筋肉で補うようになってしまったことでお尻の深部筋の過緊張を起こしてしまっていました。骨盤周りの筋肉のアンバランスや、腰から股関節に付く筋肉のアンバランスで脚の付け根に痛みが出てしまったと思われます。毎回の施術で動きの悪い関節の動きを付けていくことと、イスに楽に座れるようにアドバイスをさせていただきました。
いつもと違うような症状が出てきた時など、いつもの腰痛だと軽く考えずに、一度、ウェルビースパインにご相談下さい。ちょっとしたバランスの崩れから症状が長引く場合もあるので、日常生活でのアドバイスも併せてご提案させていただきます。
