30代女性が左足のしびれを訴え来院された。
半年前仕事中座っていたら左大腿後面にピリピリとしたしびれが出た。だがこの状態は生活に支障をきたすほどのものではなかったので
そのままにしていた。それが12月上旬になってまた同じように仕事中に今度は膝裏からふくらはぎにまでのしびれと変わった。そして2
日前、朝起きた時からしびれと痛みが強くなりどの体勢をとってもそれは治まらなかった。何もしていなくても臀部に痛みがある。歩く
としびれが強くなる。
来院時は足を引きずるようにして来られた。常にふくらはぎにはしびれがあり身体が右に傾いている。体幹の屈曲10度で左臀部から足先
にかけてのしびれが強くなった。椅子に座りながら左足を伸ばすのもできない。臀部の梨状筋を押すと脚のしびれが誘発された。
初回は坐骨神経の梨状筋による絞扼と推測し腰臀部に熱感は感じられなかったので骨盤、股関節を中心に施術を行った。施術後身体の傾
きは元に戻り歩きでの痛みは少なくなった。体感屈曲も角度が増した。
次の日2回目の施術。前日の施術後は比較的痛みしびれともに落ち着いていたが今日朝起きた時に膝裏までのジンジンとしたしびれが出
て、歩くのがまたつらくなってしまった。臀部梨状筋の痛みはなくなり、屈曲の角度も維持できたままだった。
骨盤、股関節の施術は引き続き行い、坐骨神経の通る大腿部の緊張を取っていったところジンジンとしたしびれは治まり、ピリピリに変
わった。明日から実家に帰省する予定だったので大腿後面のストレッチを指導。
5日後3回目の施術。朝起きた時もしびれが強くなることはなくピリピリはあるが比較的落ち着いていたとのこと。少ししびれが強くなっ
てもストレッチをした後はだいぶ楽になっていた。引き続き下半身を重点的に施術を行う。
まだ完全に症状は取りきってはいませんが、山場は過ぎたと思います。あとは油断せずに緊張を和らげ可動域を増やしていけばとれると
思います。
重い物を持ち上げていなくてもただ座ってるだけでも危ない腰痛になることもあります。どんなケースにも些細なことかもしれないけど
何かしらのサインはあります。そういえばあの時軽く痛みが出たとか動かしづらかったとか、何が出るかはわかりません。だけれどもそ
のサインを見逃していなければ大きな痛みは防げたかもしれません。痛みは身体が発する警告です。その警告を聞き逃さないようにして
いきましょう。