この症状は約2ヶ月前から強く感じるようになり徐々に悪化してきていました。
右股関節が痛み始めたのは約2年前で、きっかけは特に思い当たることはないということでした。長時間立った後に感じることが多く、椅子に座ったり立ったりするときや、股関節を曲げた時のある一定の角度にしたときに痛みを感じるということでした。2ヶ月前から仕事で立っていることが多くなり、それが原因かどうかは分かりませんが、痛みがひどくなって来たために整形外科に行ってレントゲンを撮ってもらいましたが、骨には異常がないので痛み止めをもらってしばらく様子を見て下さいと言われました。しかし、2ヶ月経っても症状が改善されなかったため、何か他の治療法も試したいと思い来院されました。
この患者さんの姿勢を見ると腰のそりが強く、さらに骨盤のねじれもあることによって、真っすぐに立っているつもりでも右足が前に出ているような姿勢でした。股関節の可動域の検査では屈曲と内旋の可動制限が右股関節に認められ、他動によるこの動作の最後の部分で鈍い痛みを股関節の奥の方で感じました。整形学検査では特に問題はありませんでした。股関節の周りの筋力検査では特に問題は見られませんでした。
1回目の施術はこの骨盤のねじれを取ることを中心に行いました。骨盤、腰椎、膝、股関節へのカイロプラクティックアジャストメントと骨盤、大腿と臀部周辺の筋肉の操作を行いました。家では股関節の周りのストレッチとエクササイズをして頂きました。2回目の来院時には、立ち上がる時に感じていた痛みが少し和らいでいましたが、屈曲と内旋した時に出る痛みはあまり変化がありませんでした。患者さんには週に何度か痛みが出ない範囲でウォーキングも取り入れて頂きました。5回目の来院時には立つときの痛みはほとんど感じなくなるまでに回復しました。
担当コメント
この患者さんの右股関節痛の原因は股関節自体の構造的な異常と骨盤のねじれによって引き起こされている可能性が高いです。骨盤のゆがみやねじれは股関節に大きな負荷を与えると考えられるためこれらを整えることによって股関節痛を軽減出来たのではないかと推察します。右股関節の屈曲、内旋位での痛みは股関節自体に何か障害があると思いますが、カイロプラクティックの施術である程度良い反応があったのでこのまま施術を続ければ改善する可能性はあると思います。今後はこの痛みがさらに軽減、消失するように施術とエクササイズの指導をしていきます。