50歳女性が、肩こりと左腕の痺れと痛みを訴えて来院されました。
肩こりは以前からひどかったですが、半年ぐらい前から左腕の痺れと痛みが出てきました。自転車に乗って前かがみの姿勢を取ったり、物を持ち上げたりすると左腕の症状は悪化します。痺れと痛みは重く鈍い感じがします。整形外科で首の骨がずれていると言われ温熱療法と牽引をやりましたが、あまり症状に変化がありません。上を向くと左腕も痛いですが、首も痛いです。我慢ができなくなってきたので来院しました。
検査をしてみると、首の付け根の関節付近（頚胸移行部）が大きな塊のように固まっていて、背中の上方の背骨の関節の並びも少しおかしな感じが見受けられました。また、左首の前方にある筋肉（斜角筋）に少し圧迫をかけると、左腕の症状が悪化しました。背骨全体の柔軟性が著しく落ちており、うまく胸を張ることができませんでした。
初回の施術では背骨の柔軟性を出すように全体的に温めながら緩和操作をしていき、頚胸移行部に関しては少し牽引をかけながら関節一つ一つを動かすようにしていきました。斜角筋に対するアプローチも念入りに行いました。施術後には首の可動域も上がり、症状自体は軽くなっていました。
2回目の施術では左腕の痺れもひどくはなく少し重い感じがする程度まで改善しました。
3回目以降は痛みはなくなり痺れも殆ど感じなくなっていたので、首・肩中心の全身メンテナンスへ移行しています。
担当コメント
この患者さんの斜角筋にはトリガーポイントがありました。トリガーポイントとは、対象となる筋肉にグリグリした塊のような箇所ができ、そこに刺激などを加えると筋肉自体ではない場所に痛みや痺れ（関連痛）がでるものです。斜角筋の関連痛は肩から腕や手まで広がり、時には肩甲骨の内側にも広がります。トリガーポイントは同じような動作や姿勢をずっと続けていたり、過度に使用すると筋肉が虚血状態になりできやすくなると言われています。ひどい肩こりなどの症状を回避するための日常的な姿勢が影響することも考えられましたので、この患者さんには姿勢に対するアドバイスと簡単なストレッチとエクササイズをお願いしました。
痛みや痺れは我慢しているとご自分ではどうすることもできなくなり、症状を回避する逃避姿勢が二次的な症状を出すこともあるので、我慢せず一度、ウェルビースパインにご相談下さい。姿のアドバイスなどもアドバイスさせていただきます。
