30歳男性ドライバー(練馬区)の方が、一昨日から始まった右首から背中にかけての痛みと右肩の痛みを訴えて来院されました。
3日前に野球をして、次の日の朝に首が痛みで動かせなくなり、痛みが続いたためです。この男性は3日前の試合でピッチャーを務めており一試合で60球ほど投げたそうですが、以前から投球中にしばしばビリッとした痛みと、試合後にズーンとする痛みを右肩に感じていました。
検査では、頚部の可動域は全体的に減少していて特に右側に回転すると痛みが首から背中にかけて広がりました。右肩関節の可動域の減少は認められなかってのですが、外転の最後の位置で肩に痛みを感じ、さらに三角筋の機能低下がありました。触診では三角筋に数カ所、肩鎖関節付近に圧痛点が認められました。
この結果から頚部と肩鎖関節の機能障害が疑われました。
1回目の施術は頚部と胸背部の脊柱と肩鎖関節の機能障害を取り除くことと、三角筋の機能を回復させることを中心に施術を行いました。施術後、頚部の痛みは少し残りましたが、可動域はかなり回復しました。肩の痛みは大幅に改善され、三角筋の機能低下もなくなりました。頸部に関しては計3回の施術で可動域が完全に回復し、痛みも消失しました。
担当コメント
この男性は、草野球でピッチャーをしていて月に3,4試合は投げていて、慢性的に肩の不調はあったということでした。
肩関節は一つの関節だけではなく四つの関節によって機能する複合関節になっています。今回はその中の一つである肩鎖関節の機能不全によって頸部や肩の筋肉にも影響を与えて痛みを引き起こしたと考えられます。
肩鎖関節は可動性の亢進を引き起こしやすいため、ある程度の期間、サポーターで動きすぎないように固定し、その後再発防止のために機能低下を起こしていた肩の筋肉の強化エクササイズをしていただくことが多いです。
今回のケースのように肩首の痛みは、単に筋肉の疲労や挫傷で起こるだけでなく、肩の関節が原因で引き起こすこともありますので、似たような症状のある方はお気軽に相談ください。