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股関節の痛み(48歳女性 会社員 練馬区)

練馬区にお住いの48歳の女性が右の股関節の痛みを訴えて来院されました。

痛みを感じ始めたのは4か月ほど前で、当初は歩くときに痛みを感じました。それから徐々に悪化してひと月ほどであらゆる動作の時に強い痛みを感じるほどになってしまったそうです。特にひどいのは長時間座った後に立ち上がるときと、階段を上るときで、立ち上がりの時には激痛を数十秒こらえないと動き出せないほどの状態でした。
痛みがひどくなってしまったので、整形外科を受診したところ、この方は腰椎椎間板ヘルニアの既往があったのですが、今回の痛みもヘルニアからくる痛みという診断で、痛み止めと毎日の牽引を処方されたそうです。処方された薬を飲み、牽引にも一か月ほど通われたそうですが、全く改善しなかったため当院に来院されました。

整形学・神経学検査をしてみたところ、椎間板ヘルニアを示唆する所見はみられず、むしろ股関節に関わる問題の可能性が高いと思われました。右の股関節は自分で動かしてもこちらで動かしても、ほんのわずかの動きで激しい痛みが出て、股関節周りのほとんどの筋肉の緊張が高い状態で、いわゆる筋肉の攣縮のように見受けられました。関節を傷めると、それ以上の悪化を防ぐために周囲の筋肉が強く収縮して関節を固めようとすることがあります。お話を伺うと、発症前に数か月ヨガに通われていて、特に股関節の可動域を上げるエクササイズに取り組んでいたのですが、その中で何度か右の股関節がガクッとなって痛むことがあったそうです。繰り返し股関節を傷める中で、筋肉に強い攣縮が起きてしまったのではないでしょうか。

まずは筋肉の緊張を緩めるために、関節の動きを使いながら慎重に筋肉をリラックスさせていきました。どの方向に動かしても著しい痛みが出るため、少しずつバランスをとりながらゆっくり進めて行きました。併せて、骨盤と腰椎の調整も行いました。
初回の施術で可動域の四分の一くらいまではあまり痛みなく動かせるようになり、歩くのが楽になったと仰ってお帰りになられました。ずっと痛み止めを飲んでおられたのですが、三回目にご来院されたときには痛み止めを飲まなくても大丈夫になっておられて、少し安心されたご様子でした。その後、可動域はほぼ回復しましたが、軽い痛みが出る場面がまだあるので、全快まであと一歩というところです。

担当コメント

初回のご来院の際には、少しでも右足を動かすと、そのたびに痛みをこらえているような本当にお辛いご様子でした。なるべく早く改善にもっていきたい一方で、一度に進め過ぎて股関節がかえって不安定にならないようにという点にも留意して施術をマネジメントしていきました。
180°開脚などがブームになっている中で(関節可動域を広げることは基本的にはいいことなのですが)、関節を傷めるリスクにも注意が必要だと思わされるケースでした。

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