練馬区にお住いの20代男性が首から腕にかけての痛みを訴えて来院されました。
痛みは1年ほど前から始まり、最初は軽い痛みだったのが段々と痛みが強くなり、一時は痛みで夜もよく眠れないほどだったそうです。整形外科に行ったところ、右の頚椎5、6番の間の椎間孔が狭まっているせいで痛みが出ているとのことで、ブロック注射をしてくれたそうです。それによって一時的に痛みは引いたものの、しばらくすると徐々に痛みが出てきてしまいました。注射と再発を5~6回繰り返したところで、今の治療では根本的な改善が見込めないのではないかと考えて当院にご来院されました。
お身体をチェックすると、座っているだけで首に違和感があり、首を前に倒したり、右へ回したり倒したりすると首に強く痛みを感じるとともに肩から腕の方に違和感がでるような状態でした。頚椎の4~6番のバランスが崩れている様子でしたが、それ以上に立つ姿勢・座る姿勢の歪みが気になる状態でした。加えて、胸椎の固さが首の負担を増しているように見受けられました。
そこで、まずは左右の仙腸関節と仙骨をアジャストメントして骨盤のアライメントを調整したところ、姿勢のバランスがかなり整いました。再度首の動作チェックをしてもらったところ、その時点で痛みはだいぶ少なくなっていました。さらに腰椎を一か所調整し、胸椎の関節に動きをつけていきました。
一週間後、二回目の施術にいらしたときには、首を前に倒したときのつっぱり感が少し残っていましたが、痛みはほとんど感じなくなったとおっしゃっていました。骨盤の再調整と頚椎の調整、肩甲骨のアライメントを整えて再チェックしたところ、痛み・つっぱり感共に感じなくなったということでした。
コメント
今回のケースでは、頚椎自体の問題以上に、不良姿勢の影響で頚椎の椎間関節の支持・動作時の負荷が大きかったことが原因だったように思われます。お仕事で上を向いて作業することが多いそうですので、余計に首の後ろ側にある椎間関節に負荷がかかりやすく、加えて胸椎が固まってしまっているので動作の負担も集中してしまっていたのではないでしょうか。
脊椎は、骨盤から頭まで機能的な一体性をもった構造なので、どこかの部分でアライメントが崩れたり可動域が減少すると、脊椎全体に構造的なストレスを生じさせてしまいます。それが、カイロプラクティックではどうような症状をお持ちの方に対しても背骨全体をチェックする理由です。